幹線隧道三本勝負(1) [high線]

 地理的な要因でかよく知られ、最近また廃線本なんかにも取り上げられているので、
かなり有名な部類に入る廃トンネルが、某幹線沿いにひっそりと三本、
その身を横たえています。

 ちなみにこの隧道を紹介すると、必ずと言ってもいいほど
定型文のスパム的なコメントが付くので、今回は固有名詞は出しません。

11072501.JPG
日本国内ではかなりレアな存在ではないかと思われる、電化・複線・石造隧道。
今は竹林の静かな陽の中に沈んでいます。
ここを100km/hオーバーの電車が駆け抜けていった事は、にわかには信じられません。

 最初にこの廃止区間の存在を知ったのはもう10年も前のことになるでしょうか。
海沿いの鄙びた雰囲気が大好きだった僕は、
よくなけなしの小遣いを券売機に入れて切符を買い、
この隧道の先にある街に写真を撮りに行っていました。

 その時に車窓に見たのがこれ。
11072504.JPG
草に埋もれ、本線から離れていくガーダー橋。
こいつの存在が気になり、地形図や航空写真を見まくると、
どうやらここには古い線路があったらしい、という事が判りました。

 10年の間、今までに数回アプローチを試みたんですが、
谷が一つ違ったり、私有地に阻まれたり、巨大な防護設備の上には出たものの
梯子が長すぎて無装備で降下できなかったりと、
とにかくこいつには煮え湯を飲まされてきました。
しかしながらちゃんとしたアプローチルートを見つけてみれば、
なんだ、ちゃんと安全な場所に踏み跡がついてるんですね。

11072502.JPG
 竹林の中に突如現れる架線柱と、石造りの坑門が印象的なこちらの隧道、
中に入ってみると、省力化工事の資材置き場になっています。
スラブ路盤が並べて置いてあって、ばったり保線屋さんに出くわした時には
いい隠れ場所になるかもしれません。

11072503.JPG
 もう一方の坑門が西を向いているので、時期によっては坑内が金色に輝きます。
古い架線吊りを撮ってみると、なかなかいい色合いになりました。
 ちなみに、この区間の電化設備では、ガイシはほとんど残置されています。
遠目には小さく見えても、実は直径が30cmもあるような瀬戸物の塊ですから、
落ちてきそうなやつの下には、できるだけ行かないようにしましょう。


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